■キャッシュレスの普及と仮想通貨の役割

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

 

資産を守り、増やし、使い、承継する。

本質的な考え方、実践、知識と学び、いずれにおいても日本一の

資産防衛コミュニティを作っていきます。

 

私が初めて中国に関わることになったのが25年前の1994年でした。

2年間の北京留学から始まりました。

その後、25年間の約半分の12年と少し、中国に居住していました。

2012年からは日本を拠点にしていますが、その後も中国を行き来しています。

 

四半世紀25年間の中国の変化を目の当たりにできたことは、幸せなことだと思っています。

戦後の高度経済成長期の日本を実際に見ることができなかった自分にとって、

中国の成長期に居合わせ、その経済成長を内側から見ることは必要なことでした。

 

その話を始めたら1冊の本が書けるくらい長くなってしまうので今日はしませんが、

今日お伝えしたいことは、昨年の中国の変化が、かつてないほど大きなものだったということです。

私がこれまで関わってきた25年間で、昨年の変化が最も大きく感じたのです。

 

これは、私にとっては本当に意外なことでした。

GDPの成長も、国民所得の増加も、高等教育のハイレベル化も、不動産価格の高騰も、

自動車の普及も、環境の改善も、工業技術の蓄積も、IT技術の最先端化も、

目で見てきて、もう何にも驚かないと思っていたからです。

 

昨年、中国のどんな変化を感じたかというと、「キャッシュレス社会の完成」です。

もちろん中国のキャッシュレスはもう何年も前から進んでいましたし、

昨年始まったことではありませんでしたが、

一昨年と昨年では決定的に異なる景色がありました。

 

キャッシュレスといっても、現金を必要としない社会という意味であれば、

クレジットカードやデビットカードや、QRコードの決済などを普及させていくだけのことです。

キャッシュレス比率が30%、50%、70%、そして90%と高まっていくというプロセスです。

そのプロセスは連続していますが、ある瞬間、

決定的なパラダイムシフトが起こると私は思っています。

 

それは、キャッシュレスを、ある目的を達成する手段として、

完全にみずからのコントロール下に置く、ということです。

中国は、昨年、それを実現させたのだと考えています。

いったんそこに到達したならば、

キャッシュレス比率が50%だろうと90%だろうと関係ありません。

 

中国ではまだ現金も使えます。

まだ使えますが、ほとんどの支払いの場面で、現金は第二、第三の支払い手段となっています。

スーパーでの買い物も、耐久財の支払いも、飲食も、送金も、バスやタクシーも。

 

中国のキャッシュレス決済は、決済情報、信用情報、位置情報、決済履歴、

売上と消費の履歴などがすべて紐づけられる仕組みを備えています。

もちろん日本でも、たとえばTカードを使えば、その人がどこでTカードを使ったか、

何を買うときに使ったかがわかります。

その情報をどのように利用するか、利用できる範囲や制限される範囲など、

倫理的・法的にまだ議論が存在し、国を挙げてどうするかという話にはなっていません。

 

日本のキャッシュレス技術のほうが中国のそれよりも、もしかしたら上かもしれません。

しかし「意思」が違うし、「臨界点」を越えていないのです。

キャッシュレスのもたらす世界観は、技術やキャッシュレス比率などではなく、

「意思」と「目的の明確化」によって決まるのです。

 

日本でも、政府は当然、徴税という目的のためにキャッシュレスを普及させたいという思惑があるでしょう。

しかし、その目的は隠しており、国民の共通の理解にしようとはしていません。

日本の政府が得意なのは、「いつのまにかそうなっている」状態になるように法整備をしたり、

企業に対する有形無形の支援やメディアを使って教育していくことです。

ですから、そういう状態になっても、国民の間に自分で決断したという意識は共有されず、

「自分が選んだ政党や政府を支持したが、その政策や決断には賛成ではなかった」

という奇妙な現象が延々と続くのが日本なのです。

 

これ以上政治的なことには深入りしませんが、

中国ではキャッシュレスの到達点とその目的がすでに共有されており、

不可逆的(もう変えられない、戻れない)になっています。

キャッシュレス実現を通して決済情報が吸い上げられることによって、

プライバシーを失うことを、ほとんどの中国人は既に覚悟しています。

「プライバシーを守るべき」「どうやって守るか」という議論は無意味なことを知っています。

ここは、政府や人間組織の善意を信じる多くのお人よしの日本人とは違うところです。

 

ですから、キャッシュレスが進むと個人情報を守ることはもうできなくなると知っている彼らは、

「どのように対策できるか」しか考えていません。

対策の手段は、たくさんありますが、最終的には、仮想通貨しかないというところのようです。

 

これは中国だけに限ったことではありません。

キャッシュレスで決済が丸裸にされる社会の暴走に対抗できるのは、

仮想通貨しかないと私も考えています。

キャッシュレスが進めば仮想通貨は必要なくなるという議論を時々見かけますが、

私はその逆だと思っています。

 

キャッシュレスが進めば進むほど、仮想通貨が必要になります。

これからの金融プラットフォームを考える上で、この視点が絶対に必要です。

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鹿子木健のスケッチブックより
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