税務調査に入られやすい対象やその対策法

こんにちは。堀 龍市 税理士事務所の栗下です。

さっそく今回は、税務調査に入られやすい対象やその対策法について、
お話していきたいと思います。

税務調査先を選ぶことを税務署では選定と言いますが、その基準としては、

1.決算書の各科目の数字が前年と大きく変わっている
2.税務署が把握しているデータ等からみて問題がありそう
3.以前の調査で重加算税がかけられた
4.前回の調査から何年経過しているか(長期未接触を含む)

などが挙げられます。

そしてこれらの基準をもとに、まずはKSKというコンピュータシステムが
選定し、そこからさらに人(統括官等)によって絞り込まれます。

ということは、税務調査に入られにくくするためには、上記の基準をもとに、
KSKシステムに選定されにくくなる処理の方法を行い、もしKSKシステムに
選定されたとしても、人によって絞り込まれにくくする申告書や資料を
作成しておけるかどうかがポイントになります。

それでは選定基準の一例がわかったところで、前述の1~4について、
ご自身でも出来る対処法をご紹介したいと思います。

まず1の「決算書の各科目の数字が前年と大きく変わっている」場合、
数字が変わっている理由を記述したものや、根拠資料を申告書に添付するのが
効果的な方法です。

税理士の中にも、申告の際に申告書や添付義務のある書類しか提出しない方も
多いようですが、それ以外の根拠資料を提出してはいけないといった決まりは
どこにもありませんので、この一手間で税務調査に入られる可能性をグッと
下げることも可能です。

次に2の「税務署が把握しているデータ等からみて問題がありそう」な場合ですが、
一般的に税務調査ではその会社の調査のみならず、その会社と取引のある会社の
数字をチェックして帰っていて、これを資料箋(税務署側)といいます。

また、年に何度か税務署からこれを提出してくださいと資料箋が送られてきますが、
それら(調査の際にチェックしたものと提出されたもの)を見比べて数字が違えば、
それを根拠に税務調査に来るというわけです。

これに対する対応策としては、税務署から送られてきた資料箋については
提出を控えるのも一つの方法です。

税務署から送られてくるものですので、返送しなければ大変なことになると
考えがちですが、資料箋については行政文書ですので、提出をしなかったことにより
不利益な扱いをされることはありません。

※行政指導に従わなかったことを理由に不利益な扱いをしてはいけないことは、
行政手続法第32条に定められています。
なお、税務署から送られてくるすべての書類が行政指導とは限りませんので、
その点はご注意くださいね。

弊所の例では、お客様から預かった資料箋はお客様に理由を説明して提出を
控えるケースもありますが、これについて税務署から何か言われたことは
一度もありません。

それでは、次回は引き続きKSKシステムに選定されにくくする対処法の
後半2つについてお話していきます。

 

 

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栗下尚紀の投資家税務より

 

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