節税、そして税理士の選び方

「節税」と聞くと、

お金持ちが、本来払うべき税金を払わなくてもいいように

小細工している卑怯な行為・・・

とイメージする人もいるかもしれません。

 

しかしこれは大きな間違いです。

節税は、払わなくてもよい税金を払うことを要求されないよう、身を守ることです。

或いは、

不当に要求されても払うことを拒否する知恵をもつことです。

 

何も対策をしないと、知らないうちに、本来払う必要のない税金を払っていた・・・

ということが頻繁に起こります。

残念ながら、税金の世界は、そういう仕組みになっているのです。

 

また、「自分でも気づかないうちに脱税になっいた」ということもあります。

申告漏れを、脱税ととられて重いペナルティを課されることも。

税金対策というと節税がまっさきに思い浮かびますが、

節税だけではありません。

 

税金のことを軽く見る中小企業の経営者は多いです。

税理士に頼むのは誰でも同じだと考えている人もいます。

しかし、税理士選びを間違ったために、

何千万円、何億円と損してしまう(しかも気づかずに!)人もいるのです。

 

税法をよく知らない税理士がたくさんいるといわれています。

一般にはあまり知られていませんが、税理士になるための方法はいくつもあって、

 

1、税理士試験を受ける

2、弁護士資格を取得して税理士になる

3、公認会計士資格を取得して税理士になる

4、税務官からの天下り

 

などがあります。

 

弁護士や公認会計士は税理士登録ができるので、

転向組や兼職組は、税法をよく知らない、税の実務が不得意な税理士も多いです。

多くの人は、税理士だけの資格をもつ人よりも、

税理士であり公認会計士(あるいは弁護士)である人のほうが優秀だと勘違いしそうですね。

 

天下り組も、元管理職が多いので、実務に堪えない人が多いと聞きます。

元国税庁○○と聞くと、その税理士に頼めば税務署は見逃してくれそう・・・と思いがちですが、

法改正により厳しくなっていて、OBだからと手心を加えることは一切できなくなっています。

いまは、実力主義です。

 

最後に、試験に合格した税理士ですが、

試験も一様ではありません。

税理士試験には必須科目と選択科目があります。

 

必須科目は、会計科目の簿記論と財務諸表論の2科目。

そして、法人税法と所得税法は選択必須科目なので、どちらか1科目は合格する必要があります。

さらに選択科目として、酒税法、消費税法、事業税、住民税、相続税法、固定資産税法、国税徴収法があります。

選択科目は1つまたは2つ合格することが必要です。

 

税理士を選ぶときは、

必須科目の他に「法人税法又は所得税法」「消費税法」「相続税法」

に合格した税理士を選ぶべきです。

 

選択科目に逃げて合格した税理士も多くいます。

たとえば、選択必須科目の所得税法だけ合格して、

残りは住民税と酒税を選択して合格、というケースです。

法人による節税を期待しているのに、法人税法も消費税法もわからない、

相続税も合格していない、得意なのは酒税(笑)という人に頼むのはダメですよね。

 

税理士士全体のうち、試験に合格した税理士は半数以下だそうです。

そのうち、「法人税法」「所得税法」「消費税」「相続税」を得意としている税理士はもっと少ない。

 

税理ならだれでも仮想通貨やFX、不動産などの税金について知っていると考えるのも間違いです。

それは、医師免許を持っている医者ならだれでも脳外科手術ができる、と考えるのと同じです。

 

投資家ではなく税務署の味方をする税理士もいますから、気をつけてください。

税理士ならだれでもよいと考えていた人は、考えを改める必要があります。

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