税務調査、当日の ポイント

こんにちは。堀 龍市 税理士事務所の栗下です。

前回、税務調査先に選ばれる基準とその対処法についてお話しましたが、
今回は、運悪く(?)税務調査を受けることになってしまった場合の、調査当日の
ポイントについてお話したいと思います。

調査当日のスケジュールについては、税務調査シリーズ第1回目で説明させて
いただいているので、今日は、よくある事例別に具体的な対処法をご紹介します。

まず大前提として、調査を受けるときは感情的にならないことが非常に重要です。

むこうの作戦なのかも知れませんが、中には行き過ぎた調査を行う税務調査官もおり、
そういう時に適切に対応するのも税理士の役目です。

そして、基本的な対処法として「質問されたことだけを答える」これを心掛けて下さい。

中には緊張していたり、恐がっているのか、聞かれていないことまで
つい話してしまう方がいますが、マイナスに働くことはあっても、
プラスになることはありません。

あと、一般の方には同じ内容だと思われるようなことでも、言い方によって
税務的に違う解釈や判断になってしまう場合があります。

こういうときは税理士が話に割り込んで説明を加えることがありますので、
そんなときは口を挟まず税理士に任せることも重要です。

ちなみに、税務調査官はそれとなく、納税者の趣味や交友関係を聞いてきたり
しますが、それは単に世間話をしているのではなく「全て調査のため」だという
ことをあらかじめ知っておいて下さい。

また、税務調査では言ってはいけない言葉、言うと逆効果になるフレーズ
というのがあります。

その代表的なものが「前回の調査では指摘を受けなかった」という言葉です。

これを言いたい気持ちはよく分かりますが、

「指摘を受けなかった」=「その事柄が認められた」

ということではありません。

実際には前回の調査官が気づいていなかっただけということが多いのです。

税金は最高7年まで遡ることが可能ですので、その言葉を言ってしまった
ばかりに「間違っているものは否認します」と、過去の分まで税金を払わされる
ことになりかねません…なのでうっかり言わないように注意してください。

それでは基本的な心構えを知っていただいたところで、実際に調査官が
よく言ってくること3つと、その対処法をお話していきます。

【資料のコピーを頼まれた】

税務調査の際、調査官から書類のコピーを頼まれることがあります。

この場合は同じものを必ず2部コピーします。1部を調査官に渡し、もう1部は
あなた自身が保管してください。

調査官が何を持ち帰ったか把握しておくことで、その後の対応がしやすくなります。

【帳簿の持ち帰りを要求された】

調査官から帳簿の持ち帰りを要求されることがあります。

知らないとそのまま言いなりになってしまいがちですが、必ず持ち帰りを
容認しないといけないわけではありません。

もちろん、むやみに断ればいいというものでもありませんので、税理士と相談し、
メリットとデメリットを良く考えた上で判断して下さい。

【調査官にパソコンに触らせてほしいと言われた】

業種によってはパソコンの中のデータを調べられることもありますが、
もし触らせてほしいと言ってきた場合には決して直接触らせず、

「見たいデータは表示させますのでおっしゃって下さい」や

「必要なデータはプリントアウトしますので」

と答えてください。

過去には調査官にパソコンを触らせた結果、データがグチャグチャにされたり、
復元ソフトを勝手に入れられたというケースもあります。

何もやましいところはないので、復元されても構わないという方もいるでしょうが、
これもマイナスにはたらくことはあっても、プラスになることは基本的に
ありませんので、もしそれでも理由をつけて触ろうとしてきた場合は、

「税務調査は任意なので、会社や個人の許可なく物品に触れる事は出来ないですよね」

と主張してください。

いかがでしょうか。次回はもう一歩踏み込んだ無茶な要求に対しての対処法を
紹介したいと思います。

 

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栗下尚紀の投資家税務より

 

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